冗談ドラゴンクエスト
冒険の書・13

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ナレ「というわけで、宿屋へ向かう一向だった」 宿屋「いらっしゃいませ」 ナタリー「部屋はあいてますか?」 宿屋「はい。昨日まで、みなさん猫になってましたので、泊まる方がいらっしゃらなくて全部あいてますよ」 リリア 「一部屋はいくらになりますか?」 宿屋「伺ってますよ。みなさんが猫になる呪いを解いてくださったそうですね」 勇者「おう、そうともよ。いくらくれる?」 ナタリー「あんたは黙ってるのよ」 リリア 「この人の言うことは無視していいです」 宿屋「はあ?」 コンラト「それで、一部屋いくらですか?」 宿屋「大恩人から、お金は頂けませんよ。部屋も空いてますから、一人一部屋で結 構です」 リリア 「よろしいんですか?」 宿屋「喜んでお貸しいたします、はい」 ナレ「というわけで、各自それぞれの部屋に入室する」 ナレ「マンドレイク狩りで疲れた身体を癒すために、早めにベッドに入る一同」 ナレ「寝静まった夜中、ナタリーの部屋の窓を開けて入ってくる怪しげな影」 ナレ「影は、ナタリーの眠るベッドに這い上がり、その布団の中に潜り込む」 ナタリー「だれ!」 ナレ「流石にナタリーも侵入者に気づく」 勇者「しー!俺だよ」 ナレ「影は勇者だった」 ナタリー「あ、あんた何してるのよ」 勇者「男と女がすることといったら一つしかないだろう」 ナタリー「何言ってるのよ。今のあなたは女でしょうが!」 勇者「気にすることはないぞ。女同士、水入らずという言葉もある」 ナタリー「ないわよ!」 勇者「レズビアン、って知ってる?」 ナタリー「知らないわよ。早くどきなさい」 ナレ「しかし、遊び人としての能力は絶大だった」 ナレ「ナタリーがどんなに拒絶しても……」 ナレ「などと言っているうちに夜が明けた」 勇者「今朝の太陽は黄色い……」 ナタリー「………………」 ナレ「疲れてぐったりしているナタリー」 宿屋「おはようございます。お食事ができていますよ」 ナレ「ドアをノックしてモーニングコール、各自の部屋を回る宿屋」 ナレ「約十分後、一同が食堂に集まった」 コンラト「(食事を終えて)さて、フェリス王国までの道のりは約12万マイラです」 ナタリー「モトス村までの28000マイラの約4倍というところですか」 勇者「まさか、その距離を地べた這いずり回れと言うんじゃないだろな」 コンラト「その通りですよ」 勇者「よし!帰るとするか」 ナタリー「何言ってるのよ。あんたには30000Gの貸しがあるんだから」 勇者「ほよ?20000Gじゃなかったのか?」 ナタリー「昨夜のことは忘れたの!!」 勇者「覚えてないが……」 ナタリー「あんなことや、こんなことしたじゃない!!」 勇者「女の子同士、仲良く一緒に寝ただけじゃないか」 ナタリー「ああ……もういいわ。まともに付き合ってたら、疲れるだけだから」 コンラト「何か分かりませんが、話は終わりましたか?」 ナタリー「何でもないわ。そろそろ出発しましょうか」 勇者「おう!気を付けて行けよ」 ナタリー「あんたも行くのよ!(と勇者の耳を引っ張る」 勇者「痛い、痛い。耳が千切れるう〜」 リリア 「みなさん、忘れ物はないですかあ」 勇者「お小遣いとおやつは50Gまで、バナナはおやつじゃないからな」 ナタリー「幼稚園の遠足ですか?」 コンラト「どうやら準備は整ったようですね。では、出発しましょう」 宿屋「お気をつけて行ってらっしゃいませ」 ナレ「ということで、12万マイラの長旅が始まったのである」 ナレ「フェリス王国の城門が見えてきた」 勇者「ちょっと待て!長旅が始まったと言ったばかりじゃないか!」 ナレ「どうせモンスターと戦ってレベルを上げる、だけなんだから。省略です」 勇者「それでいいのかよ?」 ナレ「いいのです」 勇者「いい加減なんだな」 ナレ「冗談ドラゴンクエストですから、はい」 リリア 「フェリス王国にたどり着きました」 ナレ「モトス村から12万マイラ、ついにフェリス王国へとやってきた」 ナレ「見上げるほどに高い城門の両側に、衛兵詰め所があった」 衛兵「止まれ!ここはフェリス王国であるぞ」 ナレ「槍を突き立てて、尋問する衛兵」 ナタリー「大神官様にお会いしにきました」 衛兵「大神官アーネスト様にだと?」 リリア 「クアール最高導師様がどちらにおられるかご存知ないですか?」 衛兵「馬鹿なことを言うんじゃない。下賤の身の分際で、ご高官のお名前を諳んじ るだけでも重罪に値するぞ」 リリア 「何とかなりませんか。お願いいたします。」 衛兵「だめだ、だめだ!」 ナレ「城門外での騒動に、何事かと城門内から顔を出した者がいた」 騎士「何をしているか!?」 衛兵「あ、エリアス・スターリング様。こいつらが中に入れてくれというもので」 騎士「城門の中へだと。ふむ……(一行を見回して)」 ナレ「その中に見知った人物がいるのに気付いた」 騎士「そこにいるのは、コンラッド・ヘーリング様ではないですか」 コンラト「ありゃ、見つかったか」 衛兵「ええ!この方がフェリス王国騎士団団長のコンラッド・ヘーリング様!」 ナレ「意外な展開に驚く一同だった」 騎士「帰ってらっしゃったのなら、王様にご報告なされた方がよろしいかと」 コンラト「分かっている。とにかく、この者たちの入国許可を」 騎士「おい、おまえら(衛兵に)入国許可証を出してやれ」 衛兵「かしこまりました」 ナレ「そんなこんなで、無事に入城できたのであった」 リリア 「コンラッドさん、王国騎士団団長だったんですね」 ナタリー「隠してるなんて、ずるいわ」 コンラト「隠してたわけではありませんが、言い出す機会を失ってしまったのです」 リリア 「ともかく、大神官様ですよ」 ナタリー「そうだわ。大神官様はどこにいらっしゃるのかしら」 コンラト「大聖堂におられると思いますよ」 リリア 「大聖堂……って、普通は教皇とか大司教が執っているのでは?」 コンラト「まあ、いろいろありましてね」 ナレ「解説しよう。筆者がキャラクター設定の際に、ついドラゴン〇ール超に釣ら れてしまったのだ。」 ナレ「というわけで、深く詮索しないように」 ナレ「物見遊山で場内を巡る一向」 騎士「コンラッド様、ちょっと来て下さい」 コンラト「分かった、今いくよ(一行に向かって)というわけで、後はみなさんで」 リリア 「用事が済んだら、どこで落ち合いますか?」 コンラト「南東の隅に宿屋があります。」 リリア 「南東の隅ですね。お待ちしてます」 ナレ「一行から別れて、コンラッドが向かった先は?」 ナレ「絢爛豪華な王宮だった」 ナレ「宮廷衛兵がコンラッドを確認すると、捧げ銃(ささげつつ)して敬礼した」 ナレ「宮廷内を悠々と歩いて向かうは、謁見の間である」 国王「よくぞ参った」 コンラト「陛下におかれましては、ご健勝のこととお慶び申し上げます」 ナレ「と、うやうやしく傅く(かしずく)」 国王「そう、鯱張る(しゃちほこばる)でないぞ。」 コンラト「ははっ」 国王「ところで城下の民衆達の様子はどうじゃ」 コンラト「陛下のご加護の下、平穏息災に暮らしております」 国王「そうか……」 コンラト「陛下の温情ある治世に、城下の者は感謝おります」 ナレ「褒められて気を悪くする者はまずいない」 国王「ふむ……ご苦労であった。今夜はゆっくりと休みたまえ」 コンラト「ありがとうございます。ただ、自分は四人の仲間と行動を共にしております」 国王「仲間がいるとな?」 コンラト「はっ!クアール最高導師様を探しているとかで、このフェリスにいらっしゃる大神官様なら、どこにお住まいかをご存知ではないかと」 国王「クアール最高導師様に大神官様とな?現在の大神官様は、ローレンス・マッシュ様だが……」 コンラト「その通りでございます」 国王「クアール様はともかく、ローレンス様は信徒以外とは会いたがらないからな」 コンラト「国王様のお力で何とかなりませんか?」 国王「まあ、紹介状とかなら出せるが、それで会えるかどうかはローレンス様次第だ」 コンラト「ないよりはましでしょう。書いていただけますか?」 国王「わかった。書いておくから、また明日ここへ出向くがよい。」 コンラト「ありがたき幸せ」

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