あっと!ヴィーナス!! 第二章 part-3
2019.10.08


あっと!ヴィーナス!!


第二章 part-3

 突然としてそれはやってきた。
 朝からどたばたしていたから、感じる暇もなかったんだ……。
 目覚めれば誰しもが行きたくなる場所。
 精神的に少し落ち着いてきたのと、いつのまにか我慢の限界に近づいていた。
「どうしたの?」
「お、おしっこがしたくなった……」
 
「まあ、早く行ってらっしゃい」
 あわててトイレへ急ぐ。
 途中兄さん達に会いませんように。
 トイレに駆け込みバタンと扉を閉め鍵を掛ける。
 以前なら鍵を掛けることなどしなかった。
 しかし困ったぞ……。
 便器の前で考え込んでいる弘美。

 しかし……どうやっておしっこ……するんだ?

 立ってすることはできない。
 あたりまえだよ。今は女の子なんだから。
 うんこ座りしてするんだよ。
 ほら、えっちな本とかに載ってるあの格好すればいいんだよ。
 まずはスカートを捲くってショーツを降ろしたら、おもむろに便器に腰掛けるん
だ。
 それから……。
 それからね……。
 ……

 それからが判らないよー!

「弘美ちゃん。大丈夫?」
 ドアの外で母が呼んでいる。
「弘美ちゃん。ちゃんとできた?」
 女の子になって、心配して見にきてくれたようだ。
「なんだったら、お母さんがみてあげるわよ」
 そ、そんないいよ、そこまでしなくても。

 あれ?
 いつのまにか出てる……?
 尿道が短いから判らないんだ……。

「弘美ちゃん?」
「だ、だいじょうぶだよ」
「そう? もし具合が悪かったら言ってよ。終わったら、ちゃんと紙で拭わなくっ
ちゃだめよ」

 拭う?

 一瞬、何のことかと思ったが、股間を見て理解した。
 おしっこが尿道から垂れて股間が濡れてしまっていた。
 そうか……。女の子は後始末が必要なんだ……。

 男だったら、ナニをつまんで数回振ればいいのだけど。
 こんな時は、女の子は不便だ。だいたいからして立っておしっこができないじゃ
ない。外出中にしたくなったら、どうすりゃいいんだよ。


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